大学入試小論文「移民政策について」です。
・重要度:高い
・難易度:普通
外国人在留の現状
【問題】ディスカッションでのことも踏まえて、移民受け入れについてあなたの意見を述べよ。
移民政策についてのある人の解答例
私のグループでは移民受け入れに賛否両論の意見となったが、私は移民受け入れに賛成である。なぜなら、移民を受け入れる事で人手不足を補う事が出来るからである。受け入れ反対側からは、今後はAIが人材不足を解消すると意見が出た。
しかし、ある記事では、地方の産業は人手不足で50社以上が今年倒産しており、これは過去最高であり、これからも地方の産業はAIを導入する資金がないために外国人労働者が必要だと書かれていた。よって私は、AIを導入する事が困難な会社のためにも移民受け入れを積極的に行うことにより、地方の産業を支える事が出来ると考える。
問題は外国人が日本に移民として来るのかという事である。なぜなら、日本では重労働、低賃金などと労働条件が整っていない。一方で中国では同じ量の仕事をしたとしても、高い給料が支給される。よって私は優秀な移民を受け入れる為にも労働条件の見直しを行う事が重要であると考えた。
移民政策についてのの添削・例文
1. 序論の明確化
最初の段落で、自分の立場(移民受け入れに賛成)を述べていますが、その理由が「人手不足の解消」だけだとやや単純に感じられます。→ 社会全体における移民受け入れの意義や多様性の促進といった広い視点を加えると、説得力が増します。
修正案:
「私は移民受け入れに賛成である。なぜなら、移民を受け入れることで人手不足を補うだけでなく、社会の多様性を促進し、経済や文化の新たな可能性を広げることができると考えるからである。」
2. 反対意見の取り上げ方
反対側の意見としてAIを挙げていますが、具体的な反論が十分に展開されていません。AIと移民の比較について、もう少し深掘りすることで論理の厚みを増せます。
追加案:
「確かにAIは一部の分野で人手不足を解消する可能性がある。しかし、AIが普及するには高額な初期投資と維持費が必要であり、特に地方産業ではその導入が困難であると考えられる。さらに、AIが得意とする作業は単純作業が中心であり、接客や文化的要素が求められる業務は人間による対応が依然として必要である。」
3. 根拠の具体性と明確性
記事からの引用部分について、情報がやや抽象的で「どのような産業・企業が外国人労働者を必要としているのか」を明確に示すと、説得力が増します。
修正案:
「例えば、農業、介護、建設業など地方の主要産業では深刻な人手不足が続いており、これにより2023年には50社以上が倒産した。これらの業界は労働集約型であるため、AIの導入は難しいと言われている。したがって、移民受け入れによる労働力確保は不可欠である。」
4. 課題の指摘と解決策の具体性
労働条件の見直しに触れていますが、「どのように見直すべきか」を具体的に提案すると、論旨が強化されます。
修正案:
「日本の労働条件は、重労働・低賃金が問題視されており、他国と比較して競争力が低い。そのため、移民を受け入れる際には、労働時間の短縮や最低賃金の引き上げ、住環境の整備など、働きやすい環境を整える必要がある。これにより、外国人労働者が日本を魅力的な選択肢と感じ、長期的に活躍できる基盤を築けると考える。」
5. 結論の補強
最後に、移民受け入れによる社会全体への恩恵や将来的なビジョンを示すと、読み手に印象を残すことができます。
修正案:
「移民受け入れは、労働力の補充だけでなく、地域社会や日本全体に新たな価値観や文化をもたらす可能性を秘めている。日本がこれからも持続可能な社会を築くためには、移民政策を適切に運用し、共生社会を実現していくことが重要である。」
移民政策についての修正案
私は移民受け入れに賛成である。なぜなら、移民を受け入れることで人手不足を補うだけでなく、社会の多様性を促進し、経済や文化の新たな可能性を広げることができると考えるからである。グループディスカッションでは、移民受け入れ反対の意見として「今後はAIが人材不足を解消する」との指摘があった。
確かにAIは一部の分野で人手不足を解消する可能性がある。しかし、AIが普及するには高額な初期投資と維持費が必要であり、特に地方産業ではその導入が困難であると考えられる。さらに、AIが得意とする作業は単純作業が中心であり、接客や文化的要素が求められる業務は人間による対応が依然として必要である。
例えば、農業、介護、建設業など地方の主要産業では深刻な人手不足が続いており、これにより2023年には50社以上が倒産した。これらの業界は労働集約型であるため、AIの導入は難しいと言われている。したがって、移民受け入れによる労働力確保は不可欠である。
一方で、日本の労働条件は、重労働・低賃金が問題視されており、他国と比較して競争力が低い。そのため、移民を受け入れる際には、労働時間の短縮や最低賃金の引き上げ、住環境の整備など、働きやすい環境を整える必要がある。これにより、外国人労働者が日本を魅力的な選択肢と感じ、長期的に活躍できる基盤を築けると考える。
移民受け入れは、労働力の補充だけでなく、地域社会や日本全体に新たな価値観や文化をもたらす可能性を秘めている。日本がこれからも持続可能な社会を築くためには、移民政策を適切に運用し、共生社会を実現していくことが重要である。
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