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大学入試小論文「釧路公立大学経済学部(平成19年度)の解答例」格差社会

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大学入試小論文「釧路公立大学経済学部(平成19年度)の解答例」格差社会です。

釧路公立大学経済学部の平成19年度「近年日本では、格差社会が話題に上がっていますが、あなたは格差を肯定しますか、否定しますか。その理由は何ですか。(600字以上800字以内)」の改題として、

【改題】(表1~2)から読み取れることを記述しつつ、我が国において若者は高齢者を支えるべきかどうか、その理由や方法について、あなたの意見を、800字程度で述べなさい。

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格差社会【釧路公立大学経済学部】の解答例

我が国において若者は高齢者を支えるべきではない。理由は、高齢者と若者の違いということで言えば金銭面での負担額の差や労働力の差による年齢格差がみられるからだ。

まず表1から読み取れることとして金銭面での負担が30代〜50代に比べて低いのにもかかわらず受益は2倍以上、そして純受益は30代〜50代とあまり差が見られない。

次に表2では生涯純負担額が若者に比べて100万円以上少ないことがわかる。現在の日本の年代別の貯蓄は70歳以上が平均2400万円ほどなのに対し40歳未満の貯蓄額は平均約608万円と4倍ほどの差が生まれている。

これらのことから十分に高齢者の方々は金銭面で余裕のある人が多く、老後の生活に年金といった形で保障されている制度も存在している。40代や30代では家や車のローンなどのような実質借金をしているような形になっている人が少なくない。明らかに高齢者よりも若者の方が支出が大きくなる。年金制度と言われるものも現在65歳以上の人は皆多かれ少なかれ年金をもらっている。その年金付与の財源は若者から徴収する税から出されているため高齢化が進んでいる今、負担額は大きくなっている。

一方で高齢者を支えていく必要性というのもある。それは地方の過疎地域で高齢者すらいなくなり荒廃してしまう可能性があることだ。高齢者に対する保障が小さくなり少なくなっていくと全体での人口減少は加速する。しかし、国の進歩、発展がない限り少子高齢化といったような国問題は止まらない。そしてその発展に貢献していく力を持っているのが若者であり、未来をリードしていくのは労働者である。

このように若者への負担は十分にかかっている上に高齢者を支えていく負担がのしかかると国全体の発展が遅れてしまいかねない。高齢者雇用を推進し、一定額の貯蓄や収入がある高齢者には年金付与の額を減らすような取り組みが必要であると考える。そのことが若者への負担を減らし、国全体の発展に繋がる。よって私は、若者は高齢者を支えるべきではないと考える。

格差社会【釧路公立大学経済学部】の講評一抜粋

提供された論文は、高齢者を支えるべきかについて独自の視点を提示していますが、一部の論点が一面的であり、議論が不足しています。金銭面での負担に焦点を当てる一方で、社会的な価値や共生の視点が欠落しています。また、高齢者を支えることが国の発展に繋がる可能性についても詳しく検証されていません。議論の均衡を取り、異なる視点を考慮することがより説得力を持たせるポイントです。

<社会的な価値や共生の視点>
以下のように、具体例を導入することで、社会的な価値や共生の視点が論文に組み込まれ、よりバランスの取れた議論が展開されるでしょう。

「一方で、金銭面だけでなく、高齢者と若者が互いに得ることのできる社会的な価値も考慮すべきだ。例えば、若者が高齢者に対して技術や情報の提供を行うことで、社会全体がより持続可能な発展を遂げる可能性がある。また、高齢者は経験と知識を共有し、若者に導きを提供することで、世代間の連帯感と共生が促進されるだろう。これにより、単なる経済的な取引だけでなく、相互の成長や社会的な結束を生むことが期待される。」

<高齢者を支えることが国の発展に繋がる可能性の検証>
以下のような具体例を導入することで、高齢者の支援が国の発展に与えるポジティブな影響を明確にし、議論をより充実させることができます。

「同時に、高齢者の支援は国の発展に直接寄与する可能性がある。例えば、高齢者は豊富な経験や知識を有しており、これを活かして労働市場でのメンターシップや教育活動に従事することで、次世代の人材育成に寄与が可能だ。また、高齢者が地域社会で積極的な役割を果たすことで、地域経済の活性化や社会的な安定に寄与することが期待される。これにより、若者だけでなく全ての世代が共に成長し、国全体の発展が促進されるだろうと考える。」

格差社会の解答文の構成案

【構成案】段落前後のつながりを考えてみよう。原文よりキーセンテンス抜粋
(主張)我が国において若者は高齢者を支えるべきではない。
(理由)理由は、高齢者と若者の違いということで言えば金銭面での負担額の差や労働力の差による年齢格差がみられるからだ。
(根拠)これは、表1~表3からも一目瞭然である。まず表1において、~。次に表2において、~だ。国際的な観点からも、表3から~だ。
(考察)明らかに若者は高齢者よりも支出が大きい。現在65歳以上の人は皆多かれ少なかれ年金をもらっている。その年金付与の財源は若者から徴収する税から出されているため高齢化が進んでいる今、負担額は大きくなっていると考える。
(反駁)だが一方で高齢者を支えていく必要性もある。それは地方の過疎地域で高齢者すらいなくなり荒廃してしまう可能性がある。しかし、国の進歩、発展に貢献していく力を持っているのが現役世代なのである。
(提案)高齢者雇用を推進し、一定額の貯蓄や収入がある高齢者には年金付与の額を減らすような取り組みが必要であると考える。そのことが若者への負担を減らし、国全体の発展に繋がる。
(まとめ)よって私は、若者は高齢者を支えるべきではないと考える。

→原文だと、理由を述べた後に、いきなり表の読み取りが始まっています。理由のあとは、普通、根拠(また具体例)を述べていくわけですが、今回は、表から読み取れることを記述しなければならないため、それを根拠として利用するのも一つの手です。

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