大学入試では近年、「講義レポート型」と呼ばれる新しい形式の小論文試験が増えてきています。この形式では、事前に与えられた講義や文章の内容を理解・要約した上で、自分の考察を加えて論述する力が問われます。一般的な小論文とは異なる構成力や読解力が必要とされるため、対策に戸惑う受験生も少なくありません。本記事では、講義レポート型小論文の基本的な特徴から、合格するための具体的な書き方・ポイントまでをわかりやすく解説します。
講義レポート型論文試験とは?
大学の教授が実際に講義を行い、その講義を受けて受験生が論文を書くという試験が「講義レポート型論文試験」です。
論文の書き方や、講義の要約の仕方などは、普通の大学入試の小論文と同じですが、紙媒体の情報から、一度しか聞くことのできないライブの講義形式である点が通常の小論文と多きく異なります。
講義レポート型論文試験の流れ
大学や学部によって、内容は異なりますが、おおよそ次のような流れになってる場合が多いようです。
- 講義の受講(45分~60分)
受講中はA4の用紙にメモが取れる。もしくは、レジュメが配布される。 - 講義に対する設問に答える(45分~60分)
A3の解答用紙に字数無制限で書かせることが多いようです。
最初に講義の要約を書かせるパターンや、講義を要約しつつ自分の考えを述べるパターンまで、年度によって出題パターンが多少変化します。
大学によっては、レポートを作成させている間に、面接試験を実施することもあるようです。
講義レポート型論文試験では何が見られているのか?
講義レポート型論文試験で見られるのは、論理的な思考ができるかどうかはもちろんのこと、講義を簡潔に要約する情報取得力があるかどうかも見られています。
大学に入学後、講義についてくることができるか、教授が伝えたいことを取得することができるかを事前にテストしているのです。
講義メモが重要
そこで重要となってくるのが「講義メモ」です。講義で重要な点をA4用紙にメモしていくのですが、ここで講義の重要な要素を見逃してしまっては論文が書けません。また、講義内容をメモするのに必死になっていても、教授が伝えたいことを聞き逃してしまう恐れもあります。
そこで意識してほしいのが「キーワード探し」です。講義で何を一番伝えたいのか、キーワードを探りながら、講義を受講することです。大事な言葉は、置き換えられたりはしますが、講義中に何度も登場し「繰り返し」されます。また、教授の声のトーンが一段と上がる場面にもなることでしょう。そこに注意して講義メモをつくるようにしましょう。
対立軸があれば注意
〇〇対××のような、概念の対立が登場した際も注意が必要です。この対立軸を基軸にしながら問題が展開されることが多いからです。
重要な表現として、「だが」「しかし」「一方」などの表現は重要です。対立している概念を述べていることが推測されます。
講義レポートの作成
あとは、講義の要約をしつつ、レポートを作成していけばよいでしょう。講義メモに残した「キーワード」を意識しながら、講義内容を前提として論文を書き上げてください。
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