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大学入試小論文「自立についての考察・解答例」

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小論文テーマ「自立」についての考察です。自立するとは、どういうことか。人文、教育系の学部で時折、出題されるテーマの1つです。実際の例を見ながら考えてみましょう。それでは、小論文テーマ「自立」についての考察です。

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自立とは?

一般的な定義としての自立とは、自分のことが自分でできる状態にあることをいいます。また同時に他者のためにも進んで働きかけることができる状態にあることでもあります。

他者とのコミュニケーションを図るときにはまず、一人ひとりが自立していることが条件となります。つまり、コミュニケーションには自立は欠かせないものです。
【問題】「大人になるために身につけるべき力について、あなたの考えを800字以内で述べよ。」についてみていきましょう。

自立についてある受験生の解答例

私は、自立することを助け合うことの違いを理解する力が必要と考える。自立する力が1人で生きていくとつながることはない。人は生涯、他人と協力しなければならない。自立することは、自分自身を養う経済力を身につけることであり、他人の力を借りないことではない。

私がこのように考える理由は、2つある。

1つ目は一般に考えられている大人が偉すぎるからである。大人になりたいと思う子どもの心の中には、大人になったら自分の思う通りに望むことができるという思考が少なからずある。そしてそれは、自分はまだ子どもであると考える年齢的には大人である人にも当てはまる。私は、自分の思い通りに事を進めようとして、他人の主張や意見を無視したことがある。自分一人では、何もできないにも関わらず、正しいことを述べて少し大人びた気でいた。思い描いた理想像ばかりを追い求めてしまったのだ。上から指図して自由に動き回ることが、自立した人、つまり大人でないことを学んだ。

2つ目は、経済的な自立には他人の協力が欠かせないからである。利益を得るためには、その商品やサービスのためにお金を出してくれる人が必要である。そして得た利益で物を買うには、それを売ってくれる人が必要である。当たり前のことであるにも関わらず、自立と協力の関連性を理解が未熟な人が多い。たとえ社長であれ、総理大臣であれ、今の自分はこうして仕事ができるのは多くの人々のおかげですと心の底から感謝しなければならない。

自分の行きたい道に進みながら、助け合いを忘れない精神を持つことが、大人になるために身に付けることである。お世話になっておりますと公言することは簡単である。しかし、自分の本心として謙虚に感謝を伝えることができる大人はどれほどいるだろうか。大人であるか否かは、社会的地位は関係ない。

自立についての講評(抜粋)

この論文は、大人になるために必要な力について独自の視点を提供しています。論文全体を通じて、自立と協力の両方が成熟した大人になるために不可欠であることが示唆されています。また、論文全体を通じての論理展開が一貫していることは良い点です。全体として、論文の内容は明確であり、具体的な例を挙げて説明しているため、読者(採点者)にとって理解しやすく採点しやすい論文といえるでしょう。

■ より得点を上げるポイントとして
より評価を高めるためには、「構成」に工夫の余地があります。具体的には、序論、本論、結論が欲しいと感じました。序論では、全体の論旨と論拠を明確にし、読者に読み進める価値があることを示すことが重要です。本論では、論旨をさらに展開し、例や具体的な証拠を提示することが大切です。結論では、論文全体のポイントを簡潔にまとめることが求められます。

■ ここは改善しておきたいポイントとして
主張に対して、深い洞察が必要。具体的には、自立と協力の関係について、さらなる例や具体的な状況を挙げて説明することです。できれば、大人になる過程での自己成長や他者との関わりについての示唆も加えることで、論文がよりよいものとなります。

自立についての添削(抜粋)

  • 貸す(かす)、借りる(かりる)の使い分け
  • 口言×→公言
  • 偉すぎる→過度に権威がある
  • 句読点(、)の使い方に気をつける。(例)思う通りに望むことができる、という思考→思う通りに望むことができるという思考
まわりくどい表現は、避けましょう。
(原文)自分はまだ子どもであると考える年齢的には大人である人→(修正案)年齢だけ大人な人。(つまり、精神的には子どもと同様な人)
(原文)今の自分はこうして仕事ができるのは多くの人々のおかげですと心の底から感謝しなければならない。→(修正案)頭を垂れた人であることが望ましい。
(原文)お世話になっておりますと公言することは簡単である。→(修正案)感謝を口にすることは容易である。

自立について深堀り

最近、社会のさまざまな場面で自立できない若者が増えてきているいう現実があります。彼らは、自己中心的であったり、他者に対して無関心であったりします。このような若者が増えてることは、共生が基本となる社会を維持していくうえで大きな問題となります。

共生
いいろいろな人たちと共に(共同して)生きること。また、動物や植物などを含めた自然環境と共に生きることを指すこともあります。
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